カサ(傘)に助けてもらう日が増えてきましたね?
今日はカサのお仕事について少し考えてみたいと思います。
カサの役目は、私たちが雨や雪に濡れないようにすること。
同時に、私たちの動きの自由も確保すること、だと思います。
身体にぴったりフィットしちゃうとしたら、
それはもうカサではないですね(笑)
私たちを「ふんわり覆って雨雪から守ること」が役目だとすると、
カサたちに必要な業務とはなんでしょう?
私は、「ちょうどいい張りをつくること」なんじゃないかなと思います。
例えば、1本のホネが仕事をサボったとします。
カサを広げると、ちょっといびつになっているかもしれない。
こういう時って、結果的に他のホネたちの仕事が増えることになりますね。
普段以上のがんばり、緊張が必要になるわけです。
さらに、もう1本のホネもサボリ始めます。
当然残りのホネたちの仕事はさらに増えて、
カサ全体の見た目も大変そうになっていきます。
「必死なわりに、カサの役目を果たしてない」という、
よくあるちょっと残念な光景です。
この時、2本のホネは「自分たちはリラックスしてる」と思ってるかもしれません。
でも、カサ全体としては、
仕事の量のバランスが崩れてしまっています。
他のホネの仕事まで引き受けて、必死にがんばっているホネたちと、
怠けているホネたち・・。
この「必死なわりに、全体の分担がうまくいっていない」
ということは、私たちの身体にもよく起きていることです。
アレクサンダーテクニークのレッスンの中で、
「ギュっていうのをやめてみよう」
「ここ、がんばらなくてもいいですよ」
という声かけをすることがよくあります。
これは、
「必要以上の仕事をしているので、それをやめてみてね」
と言っているんです。
ここからは現実のカサというより、イマジネーションの話になりますが、
がんばっているホネたちが、分担以上の仕事をやめると、
サボっていた2本は、本来の仕事をせざるを得なくなります。
↓ ↓
それぞれが、本来の分担の仕事をし始めると
カサ全体の「ちょうどいい張り」が戻って来ます。
がんばっていたホネたちは
「あー、本当はこんなに少ない仕事でよかったのか!」
とホッとします。
このプロセスが、本来の「リラックス」なんじゃないかな?
と、私は考えています。
ダラっと脱力すること、ではなくて
「ちょうどいい張り」の結果として生まれる快適さですね。
FMアレクサンダーさんのお弟子さんの、
パトリック・マクドナルド先生は、
リラックスというのは、過剰な緊張をやめることで、
必要なのは適切な緊張ですよ
というようなことを仰っています。
2本のホネたちのは、サボリ(だらけ=collapse)であって、
本来のリラックスではないよ、ということですね。
カサも私たちも、
やっぱり大事なのは「全体がどう機能しているか」
なんですね。
お天気がいい時も、悪い時も、
全体の仕事をうまく融通し合って、快適に生活したいなと思います!
(参考文献:「アレクサンダー・テクニーク ある教師の思索 / パトリック・マクドナルド著 / 幻冬舎)←もちろんカサの話は載っていないです!