アレクサンダーテクニークとは

読書うさぎ

アレクサンダーテクニークは、
オーストラリア出身の
フレデリック・マサイアス・アレクサンダー
(1869-1955)によって生み出された
「自分の使い方」の技術です
彼の「困難と発見の物語り」をご紹介します。

●きっかけは、声が出なくなったこと

元々俳優だったアレクサンダーは、
舞台上で声が枯れて出なくなる症状に 悩まされるようになります。
医師にも相談しますが、根本的な解決には至りませんでした。

ノドのトラブルは舞台上で発声している時に起こることから、
彼は「舞台で声を使っている時に自分がやっている何かに
問題の原因があるのでは?」
と考え、自力でその原因を突き止めようと決意します。

やったことは、鏡の前で、
声を出している時の自分の姿を根気よく観察することでした。

●誰もが持っている、最も大切な仕組み

彼は、自分が声を出している時に、
「頭を後ろに引き下げる」クセがあることに気づいたことがきっかけで、
「全体のコーディネーションに決定的な影響を与えているのは、
頭ー首ー背中の関わり方だった」ということを発見します。

私たちの全身は常に有機的に関わり合っていますが、
全体のコーディネーションのカギを握っているのは、
頭ー首ー背中の相互の関わり方だったのです。

頭から脊椎に沿って、不必要な固めや縮みが起きている時は、
全身にもそれが起きており、
逆に、頭から脊椎に沿って
スペースや動きの自由が復活すると
全体のコーディネーションも、自然でのびのびとしたものになっていきます。


彼はこの仕組みに「プライマリーコントロール」という名前をつけました。
プライマリーとは「一番最初の、基礎的な」といった意味です。

この仕組みは、どんな人にも生まれながらに備わっており、常に働いています。
必要なことは、既にある仕組みが
「よりよく働くこと」なのです。

*「背中」について。
脊椎を中心とした胴体全体のことを、
アレクサンダーテクニークを学んでいる人たちは
「背中」と呼んでいます。

●習慣との闘い

また、アレクサンダーは、
無意識に行っている習慣的な自分の使い方
つまり「クセになった使い方」が、
このプライマリー・コントロールを邪魔していることに気づきます。

もしも彼が、身体の機能と構造(デザイン)に逆らった自分の使い方をしていたとしても、
それが無意識に行われている習慣ならば、
自分では気づけないのです。

そして、彼自身は「自分をこんな風に使っているつもり」と思っていても、
実際にはそれが出来ていなかったことから、
「感覚」とは不確かなもので、
自分の使い方を判断するモノサシとしては適切ではないことを悟ります。

現実を見よ

さらに彼は、習慣(クセ)の正体は
「刺激に対して反射的にパターンで出てしまう反応」であることを突き止めます。

そして、彼の習慣が「声を出そう!」と思う刺激によって
自動的に起きてしまう反応であったことなどから、
発声の問題としてスタートし、
膨大な時間をかけて自分が取り組んで来たことは、
実は心身まるごとの「自分全体の使い方」の問題だったのだ
ということに思い至ります。

身体と心は分けられないものであり、
身体の反応パターンは、思考のパターンとも

密接に結びついていたことが分かったのです。

彼はその後も 、不確かな「感覚」と結びついた
自分の「習慣」に苦しみます。

青いことり

●抑制=インヒビションの発見

長い間、習慣から抜け出せずに悩んでいた彼は、
「抑制=インヒビション」というアイディアにたどり着きます。
これは、「目的を達成しよう!」という刺激に対して起こる
自動的な反応を「防ぐ・やめる」というものでした。

彼は実験と失敗を繰り返すうちに、
インヒビションすることで、機能を邪魔している自分のパターンを一旦停止し、
そこから改めて「目的に向かってどのように自分を使うのか」を
意識的に選び、方向づける(ダイレクション)
というプロセスを踏むことが出来るようになっていきました。

無意識にやってしまう自分の反応を
意識的な、理にかなった自分の使い方に置き換える、

という彼の試みは、
インヒビションの発見によってついに完成したのでした。


彼は、自ら生み出した原理によって声を取り戻しただけでなく、
生まれた時からあった呼吸に関する症状も改善し、
健康が増進しました。

別な言い方をすると、
もともと持っている仕組み(プライマリー・コントロール)
よりよく働くようになったのです。
その後、俳優をはじめ様々な人たちに
「自分の使い方」を教えていきました。

彼の困難と発見の道のりは、10年にも渡るものでした。

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アレクサンダーの発見したこの原理は、
声を出す以外の目的にも役立つことが分かり、
今では世界中の人々が学んでいます。

◎たとえば、
ジュリアード音楽院をはじめ、世界各国の芸術系の養成機関では
正規科目 として取り入れられており、
多くのパフォーマンスアーティストをサポートしています。


◎また、アレクサンダーテクニークは治療ではありませんが
「 ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」 など
医学界の論文に取り上げられており、
腰痛などの改善に役立つことが認められています。


◎ヨーロッパでは医師が必要だと認めた場合、
レッスン費用が保険から支払われる国もあります。

(参照:『アレクサンダーテクニークで腰痛が治りますか?』 / アレクサンダーテクニーク教師連盟HP)

はい、お花
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