2024年1月13日
2024年が明けて最初のブログに何を書いたらいいか迷い、1月も半ばになってしまいました。
ありがたいことに、レッスンもポチポチ始まっております。
ワークをしながら生徒さんたちとお互いの近況を話しつつ、それぞれの視点、立場から、私も含めみなさん胸を痛めてらっしゃるなぁと感じております。
そんな中でも・・生活は続いて行きますよね。
忙しい日常が続く中、実際にご友人やご親戚、お仕事の関係者など大切な方、身近な方が被災されている生徒さんもいらっしゃいました。
不測の事態に緊張や不安を抱きつつも、みなさん「今の自分に出来る最大限のことは何だろう?」と問い、決断し、行動なさっています。
ある生徒さん(仮にAさんとします)は、被災地にいらっしゃるご友人に必要な物資を送って来たそうです。
チェアワークをしながら、お話を聴いていたのですが、
その時少し不思議な感覚を覚えました。
お話の内容はややハードなものでした。
Aさんの表情も当然ながら緊張気味です。
しかし私の手(ハンズオン)をキャッチしてご自身に働きかけるスピードがものすごく早いのです。
Aさんの機能的なつながり、柔らかさが内側からグングン立ちあがって行く感じ。
普段私は「ダイレクション(方向性)」の言葉かけをすることが多いのですが、その時はほぼ言葉かけはせず、Aさんのお話をお聴きしながら、ひたすら、手でメッセージを伝え、Aさんの機能をキャッチすることに専念しました。
2人で「Do=やること」をどんどん減らしてどんどんシンプルになって行く・・。不思議な集中した時間を過ごしました。
私自身も、年が明けてから頭がとっ散らかっていたのですが (私あるあるです)いつの間にか鎮まって行きました。
恐らく私一人では、こんな風に鎮まることはなかっただろうなと思います。
ライダウン(横になる)ワークの時も、Aさんの不思議な集中力は続きます。
言わば「緊急アラーム」が鳴っている中で、生活のあれこれもこなさなければいけない状況。
そんなお話をしながらも
Aさんは私の手をキャッチし、肩甲骨周りはどんどん柔らかく、背中は広くなり、足の弾力が生まれて行く・・。
ワークが終わってから私はAさんに
「ご自身で思ってる程、身体は固くなかったですよ」とお伝えしました。
表面的な「緊張感」は確かにあったのです。
でも、内側では柔らかく機能が息づいている、そんな感じがしました。
「自分の全部で生きる」ってこういうことなのかもしれない!と私は思いました。
緊急アラームが鳴り響く中、Aさんがご自身の「ベスト」を問い、選択し、行動したプロセスは、きっと生命の炎を燃やし「全部の自分」で考え、選択し動くプロセスだったに違いないと思いました。
もはや「頭だけ」「心だけ」で考えているのでは間に合わず、奥からAさんの本質的な統合力が目覚め、不安や怖れをもエネルギーに換え、全身全霊で行動していたのではないかと想像します。
改めて、私は「表面的なこと」に惑わされてはいけないなと思いました。
ひとくちに「緊張」と言っても、その現れ方は様々で本当に奥深い。
その人を守り、生かすための緊張というのもあるはずなんですよね。
不謹慎ながら、そういったことを含め「人間の機能の奥深さ」というものに魅了され続けております。
「全身で自分を生きること」に関わらせていただけることに感謝しながら、私も生徒さんたちに負けないぐらい「今出来るベスト」を尽くそう!改めてそう思いました。
みなさま、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
熊谷志おり