人間関係とアレクサンダーテクニーク(前編)

窓の向こう

アレクサンダーテクニークは、
「どんな活動をする時も、全体のコーディネーションがよりよい状態で、
やりたい活動が出来ること」を目指すワークです。

「活動」は、特別なことに限りません。
人と関わること、人間関係を作ることも立派な「活動」です。

でも、「頭-首-背中のよりよい関係」を大事にし、
働きかけるワークが、人間関係作りに役立つなんて、かなり珍妙な話に聞こえます。

相手にどんな表現をしたらいいのか、相手の表現をどう受けとめたらいいのか、
の具体的なテクニックじゃなくて、
頭-首-背中に働きかける・・?
怪しさ満載ですよね。

ご参考までに、私の体験をお話します。

2つの意図を試してみた

とある職場に、私がニガテな上司がいました。
仮にAさんとお呼びします。
(細かい状況設定は、多少アレンジしております。)

Aさんは、ご本人曰く人見知りで、
「新しい人」が苦手なようでした。

当時新人だった私がAさんに質問すると、言葉は少な目、ぶっきらぼーに答えてくれていました。
「オレに聞くな」オーラが漂っていました。(私にはそう見えた)

普段はAさん以外の人に質問するようにしていたのですが、
Aさんしか現場にいない時は、もうAさんに聞くしかない。

また、出来るだけ聞かないようにしていたことが元でミスにつながることもあり、
私は腹をくくることにしました。

当時通っていたアレクサンダーテクニークの学校の先生に相談すると、
「それはAさんに質問する時の、くまちゃんの使い方だね」という助言を頂きました。

私は早速試してみることにしました。

Aさんとやり取りする時、
・首は固めなくてよかったよね?
・広ーく見よう

と考えるようにしました。
これは「方向づけ」(Direction = ダイレクション)の一部です。
「自分をこのように使おう」という意図を持つのが方向づけです。
また「広く見よう」は、目の前だけではなく自分の周りの空間全体に注意を向けるということです。

学校で学んでいた方向づけは、
首が、頭が、背中が、ヒザが、全体の空間が・・・とたくさんあるのですが、
なんせドタバタな現場だったので、これらの般若心経を全部唱えている時間はありません。

そんなわけで自分に必要で役に立ちそうと思う「2つの方向づけ」を選んで、
自分に働きかけてみたのでした。

気づきが気づきを連れてくる

窓と女の子(白)

2週間ほど経った頃でしょうか。
ふと「そう言えば私、最近Aさんの顔色をうかがってないなぁ・・」と気づきました。
Aさんに接するたび、「首は」、「広ーく」という意図を挟み込んでいたので、顔色をうかがうヒマがなかったのかもしれません。

さらに、
「考えてみたら顔色をうかがうことって、大して役立ってないんじゃないだろうか?
だったら、もうやらなくてもいいんじゃないかな。」とも思いました。
気づきが気づきを連れてきたのです。

 

そもそも、「今、どうしてもこの質問をしなければいけない時」って、
上司の機嫌が良かろうが悪かろうが聞くしかないわけなんですよね。
だからそこで「今話しかけて大丈夫かなぁ・・?」と、
ビクビクすることにエネルギーを使ってもしょうがないなと思ったのでした。

私は2つの方向づけを自分に送りつつ、
必要なことをAさんに「ただ質問する」ようになっていきました
相手の考えていることやオーラは気にせずに(笑)、
自分に働きかけることだけを心がけました。

 

さらにしばらく経った時、
「Aさん最近、私と接している時、前よりラクそうだな」と気づきました。
以前より構えず、気楽な感じで私と話していたのです。

そのうちに、お互い冗談で笑ったりもするようになりました。
すごく仲良くなったというわけではありませんでしたが、
少なくとも、お互いの「身構え」みたいなものは随分減りました。

職場には友達を作りに行っているわけではないので、
私にとってはこれで十分快適だったのです。
(次回へ続きます。)

 

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