腰痛どうでしょう?

2021年7月13日

レントゲン

「腰痛人間クマガイ」のはなし

30代後半、私は自他ともに認める「腰痛の人」でした。
当時の私を知っている人たちは、
「クマガイ=腰痛持ち」という認識だったと思います。

当時は本当に色んな腰痛対策を試していました。
もちろん治療にも通っていました。
完全に、腰痛くんとクマガイは同化していましたね。

今はどうかと言いますと、
「そう言えば、あいつ、いつの間にかいなくなったなぁ」
という感覚です。

たま~にムチャな身体の使い方をすると痛むことはありますが、
当時のように「常に腰痛のことが頭から離れない!」みたいなラブラブなことはなくなりました(笑)。

でも「改善したのは、全てアレクサンダーテクニークのおかげか?」と言うと、
実はそういうわけではありません(笑)。
そう言い切れたら、うまいこと宣伝になるんでしょうが、
そこは明朗会計、正直にいきたいと思います!

・  ・

当時私は、入力専門の業務に携わっていました。
ほぼ一日、座ってPCで顧客データを打ち込む作業です。
この仕事を辞めたことで、腰の痛みは激減しました。

その後アレクサンダーテクニークと出会ったのです。

では、腰痛対策にアレクサンダーテクニークは役立たなかったのかと言いますと、
「結果として大いに役立っていた」と思います。

 

コーディネーションと予防

アレクサンダーテクニーク(AT)と出会うまでの私は、
どこかに痛みがある時、
「その部位」だけを全体から切り離して捉える、という
注意の向け方をしていました。

腰だったら「腰だけ」を抜き出して、そこだけで何とかしようとしていたんです。

 

ATを学ぶうちに、
①部分に注意が過集中してしまうと、かえってそこが固まってしまうことが多い。

②特定の部位に対して体操などのアプローチをしている時、
「全体の使い方」が適切じゃないと、
実は”焼け石に水状態”になっていることが多い。

レッスンと実生活での体験から、そんなことにだんだん気づいていったんです。

②については、
例えば腰のストレッチなどをしていたとして、
その時、首や胴体をギューギュー縮めたリ狭めたリしながら
やっていたのでは、全く意味がないよ、ということですね。
(「プライマリーコントロール」もご参照下さい)

「腰だけ!」を考えていたのが、いつの間にか
「全体のつながりの中の…痛いここら辺」という捉え方になっていった、というわけです。

これらのことは、
痛い部位だけにまっしぐらに向かうことで
全体のコーディネーションがますます悪化し、
患部の痛みもさらに増すという
「二次災害」の予防になっていると思います。

全体の機能に働きかけることで、
火に油を注がずに済むわけですね。

 

まとめると

痛みをケアするためのワークなどを行う際は、
全体のコーディネーションに注意を向けつつアプローチしていく。
日々の生活の中でも、ATを意識して
身体全体の使い方をそのつど、軌道修正&リニューアルすることで、
「小刻みに予防」していく。
(これ「チェアワーク」の得意分野です!)

こういったプロセスを経て私は、
腰痛くんとは、今のところ「ほどよい距離」を保って暮らしております。

 

気になる木

 

最も大切なことは・・。

さて、私はアレクサンダーテクニーク教師ではありますが、
腰痛やその他の身体の痛み・不具合に関して、
信頼出来る医療機関で診察・診断・治療を受けることは、
とてもとても大切なことだと思っています。

ATで何もかも解決できるわけではないのです。
ここも明朗会計、正直にお話したいと思います。

一口に「腰痛」と言っても原因は様々です。(不明なことも多いそうです)
また、原因はひとつとは限りません。

例えば、要因のひとつとして内臓疾患があり、
そこをかばうことで周りの筋肉が固くなって
ますます痛みが増して・・ということも大いに考えられます。
そこを見極めるのは、やはり医学を修めたお医者さんの役目なのです。

レントゲン

 

私たちの持ち場は、あくまで
「自分の使い方」
(Use of the Self) に関してです。
適切じゃない身体の使い方によって生じた
腰痛などの不具合についてならば、
ATは大いに助けになるだろうと思います。

 

痛みって「からだからのメッセージ」だと思うんです。
そのメッセージに、私は謙虚でいたい。

メッセージを発してくれているからだに対して、
それぞれの持ち場、領域で、敬意を払う。

お医者さんはお医者さんの立場で、
整体師さんは整体師さんの立場で、
AT教師はAT教師の立場で・・。
伝えてくれているからだに、敬意を払う。

そうありたいな、というが私の考えです。

*  *  *

それから・・。
例え、どんなに優れたワークだとしても
「選択肢は1つしかありません!」ということになっちゃうと、
人って追いつめられてしまうと思うんです。
でも、腰痛に有効な手段は、世の中にたくさんあると思います。

ATに限らず、選択肢はたった1つではないということも、
どうか忘れないでくださいね。

その上で、あなたの豊富な選択肢の中に
アレクサンダーテクニークも加えていただけますと、

「もと腰痛持ちのAT教師」としては、とてもうれしいです。

なにより、
最も大切なことは「自分を追いつめない」こと!
これが腰痛改善への、本当の第一歩だと私は思うのです(^o^)。

はい、お花