2022年4月10日
私は現在、介護予防が目的の施設で、
ご高齢の利用者さんたちと一緒に
リハビリの体操をする仕事をしています。
といっても、こちらでは
アレクサンダーテクニーク教師としてではなく
あくまで1スタッフとして働いています。
一緒に体操させていただく時の
私の立ち位置は「先生」ではなく、
「同じ時間と空間を分かち合う、同志!」だと思っています。
なので、何かをお伝えする時は
「指導」ではなく
「こういう考え方、やり方がありますよ」
という「提案」、「きっかけ作り」だと思ってお伝えしているんです。
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さて、私は現場で
なるべく使わないようにしている言葉があるんです。
それは
「姿勢を正して」
「真っ直ぐにして」
「背筋を伸ばして」
などです。
理由は、
これらの言葉に対する、人の身体の反応は、あまり機能的ではないことが多いからです。
一見シャキっとして見栄えがいいようですが、
実際は背中や腰が反ってしまい、
胴体の元々の長さ、広さ、厚み、柔らかさが損なわれてしまっているんです。
俗に言う「S字カーブ」がきつくなる、というやつですね。
何よりも「正しさという鋳型」に
自分をはめ込もうとするあまり、
身体の「内側で起きている生き生きとした動き」が止まってしまうことが多いんですよね。
結果、自然な上向きの方向性も
堰き止められてしまうんです。
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では代わりにどんな言葉を使っているかといいますと
「意識してみましょう」
「思い出してみましょう」
「考えてみましょう」
「~~に向かって行きます」
「~~を目指します」
という意識や方向性を促す言葉です。
「Do(する)」ではなく
「Be(在る)」を促す言葉ですね。
具体的には
「改めて、ご自身の胴体が
長くて広くて厚みがあったことを思い出してみましょう」
「開いたり閉じたリ、
両方出来ることを意識してみましょう」
「背中は長くて広いままで、
腕が遠くに向かって行きます」
などなど。
他には
「伸ばす」ではなく「伸びていく」という言葉も、意識して使っています。
もちろんレッスンではないので
ハンズオンも出来ないし
プライマリーコントロールの説明もしていません。
それでも、みなさんの
内側からの自然な伸びやかさが生まれるような「ちいさな何か」を
ご提案できたらいいなと思って取り組んでいます。
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でね。
実は、最近「あれ?」という変化を感じるようになってきたのですよ。
「こういうことを意識してみましょう」
と言ってから動いてもらった時、
みなさんの動きのトーンやクオリティが明らかに変わるのです。
「今、意識して動いてくれたな」というのが
ちゃ~んとこちらに伝わってくるんです!
そして、体操はほぼ座った状態で行われるのですが、
「わぁ~、最近みなさんの座位が、堂々としてきたなぁ~」
と思うことが増えてきました。
シャレじゃないですけど
胴が堂々と!してきたんですよね(^o^)。
私の欲目かなぁ?

体操の動作が上手く出来なくて、ご本人が苦笑なさることがよくあるのですが、
その「笑い」も、以前よりもなんだか堂々となって来たような気がします。
人って「正しくやろう、上手くやろう」と必死になっている時や、
出来なかった自分を恥じている時よりも、
「いやぁ、やっちゃったよ~」って楽しく笑えている時の方が、
その人の生命力って発揮されているんじゃないかなぁと私は思うんです。
「意識」や「意図」って、やっぱり人の心身の反応や、在り方を変えるんだなぁと密かに感動しているところです。
そして私のやるべき仕事は、
みなさんの「よりよい変化」をしっかりキャッチ出来るように
自分の機能を整え、さらにアップデートしていくことだなぁと思っています。
もちろん、引き続き
レッスンのご依頼もお待ちしていますよ~♪
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