「言葉で説得しない」代わりに。(後編)

2022年8月28日

「言葉で説得しない」代わりに。(前編)
の続きです。

みなさん、前編の「背中と壁紙かべがみ」のワーク、試してみましたか?
何か発見がありましたか?

もし発見や感想がありましたら
お知らせくださいねー!
(ツイッターやお問合せフォームなどで是非)

さて今回は解説編ですよ。

AT的解説

私たちは、何かと「前側」に意識が過集中かしゅうちゅうしがちです。

こういう時は、入ってくる情報が限定的で、「自分の色メガネ」で物事を見ていることが多いんですね。

広ーい世界を
ちっちゃ~い窓から覗いているというイメージが近いかも知れません。

ちっちゃ~い窓に、自分の心と身体を押し込めている!とも言えますね。

ブラインドからのぞく人

結果、「目の前」の利用者さんの表面的な訴えに、自分も「表面的に反応」してしまったりします。
(私もよくやっていました。今も時々やっちゃいます。)

 

でも自分の「後ろ側」、背中とその後ろの空間にも注意が向けられるようになると、入ってくる情報のクオリティーや自分の反応の仕方が、よりニュートラルな状態に変容してくることが多いのです。

この取り組みをアレクサンダーテクニーク(AT)では
「Stay the Back (背中にいる)」という言い方をします。

広い背中、柔らかくて厚みのある自分の背中を信頼して、
その背中と一緒にいてみよう、というような意味です。

白ワンコ背中

というわけで、
私は「背中と壁紙のワーク」を
背中と共にいる取り組みのバリエーションとして使っているんです。

 

私に起きたことは・・

さてさて!
以下は「背中と壁紙」のワークを試していた私に起きたことの一例です。
(あくまで一例ですよー)

まず、利用者さんのネガティブな訴えに対して「何か言ってあげなければ・・」と焦ることが減って来ました。

「ネガティブな訴え」とは、例えばご自身の不自由なお身体に、自分でダメ出しするなどです。

訴えが刺激的だと、聞いているだけでしんどいこともありますよね?

でも私は、出来れば理屈で説得して
相手のネガティブな表現を「変えさせようとしない」ようにしたいと思っています。

きっと今のその人なりの、
ギリギリ精一杯の自己表現だと思うからです。

胸を広げて

訴えはそのままそこに置いといて、
自分の後ろ側のスペースを大事にしながら

今出来ること
出来ないことを考え、

今私に出来ないことは深追いせず、あきらめる。(例えば直接痛みを取り除く、原因を解決するなど)

利用者さんに変わってもらうことをあきらめて、
利用者さんと一緒に、ただこの時間と空間を過ごすことに興味を持ってみる。
(ジタバタしてもしょうがないからね!)

そして
「あなたに関心を持っていますよ」
「理解しようとしていますよ」
という態度で居ようとする。

胸を広げて

そうやっていると
ネガティブに「見えていた」利用者さんの表現と、
その表現に過剰に反応していた私との間にも「距離スペース」が生まれ

「この方ってどういう人だったっけ?」という
新しい気持ちでその人を見ることが出来るようになって来たりします

すると、ふいにその方から
ネガティブでもポジティブでもない表現が、ポン!と出てくることがあるのです。

そこからまた、
新しいコミュニケーションが始まることもあります。

結果、なんとな~く
「お互い同じ景色を見ようとしているね」となったりします。

もちろん、いつもうまく行くわけではありませんが・・。

 

実際の取り組みは超シンプル!

こうやって書き出してみると
まるで、すご~く整理された「やり方」みたいですが

実は、私が意識しているのは

①自分の背中とその後ろの空間

②目の前の方の
「内側で生きている機能」です。

つまりシンプルに
お互いのプライマリーコントロールに
注意を向けながらその場に居ようとしているだけなのです。

これらに取り組んでいるうちに、上記のようなことが
「結果として」アドリブのように起こって来た、というわけなのでした。

実はATで大事にしているのは
「結果として起きること」よりも
「取り組みの過程プロセス」の方なのです。

その辺のことは、また次回に書きますね。

引き続き「背中と壁紙」のワーク、試してみてくださいね(^O^)/

 

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