2021年8月21日
「在り方」は、盗める?(前編)の続きです。
前回は、
介護現場の尊敬する先輩Sさんと、
空回りしていた私の、「在り方の違い」についての仮説をお話しました。
「在り方どろぼう」のプロを目指したい!
さて、「利用者さんに優しく出来ない」と落ち込んで、
自分を責める介護スタッフさんって、たっっっくさんいらっしゃると思います!
真面目な人ほど、「どうしたら優しく出来るか」を突き詰めて考えてストレスが蓄積し、現場では空回りし、
望んでいないのに利用者さんにキツく当たってしまって、さらに落ち込む、という悪循環に陥ってしまうものだと思います。
私もそうでした。(ほら、ワタシ真面目だから。)
そんな状況で「優しさ」を絞り出すのは、
どう考えても不自然だし、ますます負担がかかってしまうと思います。
* * *
今、私は、
「ダメダメ介護スタッフ」だったからこそ、出来ることがあるのではないかと思い始めています。
それは、目指したかった「在り方」と、
そこに程遠かった自分との「差」はなんだったのかを、
アレクサンダーテクニーク的に精査し、仮説を立て、試しながら、
「よりよいプレゼンスへの手がかり」を伝えていくことなんじゃないかなということです。
つまり、
「いいプレゼンスをどう盗むか?」作戦です!
素晴らしいプレゼンス(存在感・在り方)の人が目の前にいたら、
その人が、どんな注意の向け方をしているか?
どんなまなざしで世界を見ていて、何が見えているか?
自分や人やモノと、どんなつながり方をしているか?
どんな距離感で物事を捉えているか・・・。
などなどを、じっくり見つめて、
時にはご本人にインタビューしながら、「仮説」を日々更新させていこうと思います。
もちろん、私自身の「機能の泉」に働きかけながら。
(参照記事→ 泉はもうある。)
見たいのは、言葉の奥の「枝や幹」。
少しSさんの話に戻ります。
人が自分に起きていることを言語化している時、
そこには、感覚でキャッチしたものを「解釈」するという工程が挟まっていると思います。
「話していること」が、 実際に「その人の中で起こっていること」そのものとは限りません。
「アイコンタクトするようにしているよ」と言っているSさんの内側では、
ご本人も気づいていない、深く豊かな機能が働いている可能性がある!!
Sさんを形づくっている、機能のコアの領域を知りたい。
少しずつでも、そこを目指し続けたい。
それが私にとっての「仮説の更新」です。
そして、「優しさ」や「思いやり」といった抽象的な精神論や、
ハウツー的な心理テクニックとは違うものを、
手と言葉によるワークで、お伝え出来るようになりたいなと思っています。
(難しそうだ~。でもやりた~い。)
もしそれが出来たら・・。
自分の人格を否定することも、
能力の有無や、器の大きさ云々を誰かと比べて、
自分が自分をあきらめたリすることも減っていくかもしれません。
これは、私自身のためのテーマでもあるんです。
そんなわけで、
これからは「在り方どろぼう」のプロを目指して(笑)
人々を観察していこうと思っています。
* * *
「在り方」が素晴らしい方は、世の中にたくさんいらっしゃいます。
それはアレクサンダーテクニークを知っているかどうかとは、全く関係ありません。
Sさんがいい例です。
こちらにしてみれば、盗み放題なのです!
もしも、私にジロジロ見られていたら、
それは、あなたのいいプレゼンスを「盗まれている」最中かも知れませんよ。
「在り方どろぼう」にご注意を(^o^)
*前回のお話はこちら。
「在り方」は、盗める?(前編)
*よろしければ、こちらも。
「て」は「ていあん」の手。
ハンズオンワークについてのお話です。